カテゴリー別アーカイブ: 営業戦線

戦線#18 感動を売る

「感動を売る」と称してはいるものの、「どこが?」とう会社はしばしばある。

今回は「ある会社に訪問したら感動した」エピソードを紹介しよう。

訪問アポをとるとき、フルネームの漢字、役職などを聞かれたのでピンときていたが、

訪問先の玄関に「○○様いらっしゃいませ」の立派な看板が掲げられていた。

簡単に書き換えが可能なホワイトボードや黒板ではなく、ちゃんときれいな形で。

建物に入ると、全社員が立ってお出迎え。

ここまでは、マナーレベルの高い会社だと時折見かけるが、ここから先が違った。

応接に通されると、テーブルの上にカラフルなB5サイズくらいの紙が置かれている。

きれいな写真を背景に

「○○様、本日はご多忙の中 ~ 」

というような、ウェルカムの長文メッセージが書かれている。

こんなものは後にも先にも見たことがない。

すごい会社だ! と思った。

訪問相手が所用で帰社が遅れているとのことで、しばし応接でひとり待つことに。

しばらくすると、コーヒーとお菓子が出されたが、お菓子の上にのっかっていたのがこの小さなカード。

ttc

!!!ここまでするか!?

和紙に、さらに桜の花びらを模ってカットされた紙が貼られている。

訳あって、非常に疲れた状態での訪問だったのだが、

このカードを眺めていると、なんだか疲れが一気に取れてくる。
たかだか小さなカードなのに。

訪問相手が帰社され「スゴいですね」と褒めると、先方はたまたまそばにいた女性社員に

「うちの売ってる商品て何だっけ?」

と聞くと

「感動です」

と即答。

なるほど!

確かに感動を売っている。

また、その価値観が末端社員まで浸透している。(経営理念にも明記されている)

これらのカードなどは、社員のみなさんが自主的に考えたものなのだそうな。

ビジネスにおいて感動の条件は「期待を大きく上回る何かを提供すること」

これを実践するために全社員が自主的に知恵を絞る。すばらしい会社だ。

ちょっと特殊な事情でのご訪問だったので、その1回しか訪問していないし、

今後も訪問する可能性は低い。

それでも商売は関係なしに、できればもう一度何かの用事を作って訪問させていただきたいと思う。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#17 お客様を紹介いただいた後

何をきっかけに新規顧客を獲得するか。

広告を打つ、地道にTEL営業する・・・。

やはり理想は、既存のお客様から知り合いを紹介いただくことだ。

何もしなくても引合いをいただけるのは非常に効率的であるし、

一般的に紹介からの案件は受注率も高いからだ。

以前、あるクライアント先で、普段はあまりないのだが、たまたま紹介をきっかけにした受注があった。

筆者が先方社長に

「ちゃんと、紹介いただいた方にはその後の経過は報告しましたか?」

とたずねると

「・・・いえ、何も。」

とのこと。

紹介した人からすると、その後音沙汰がなければ

「せっかく紹介したのに・・・今後はもう紹介しなくてもいいか・・・」

となるだろう。

もちろん「○○万円で」など金額などの話まではしなくてもいいのだが

「無事ご注文をいただきまして~~~
 本当にありがとうございました~~~
 また今後もぜひ~~~」

くらいの報告&御礼はするべきであり、

もし残念ながら失注した場合でも報告&御礼は必要だ。

きっとまた紹介をいただけるだろう。

ちなみに筆者もこのような経験をした。

お客様を紹介するも、その後音沙汰がなく、

「あの件どうなりました?」

とTELすると、

「ああ、あれですか、・・・・な感じですかねえ。」

との反応。御礼の言葉もない。

それ以降、その会社にはお客様を紹介していない。

このように、ご紹介いただいた後の報告&御礼の有無はその後に大きな差が出てくるということだ。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#16 プル型の仕掛けに対するフォローのストーリー

ある少人数の法人向けの不動産業を営む会社で、こんなことがあった。

その会社の扱っているサービスについての簡単なサービス紹介とともに

資料請求の返信ハガキのついた、往復ハガキによるDMを数千通発信した。

ここでかかった費用は約30万円。

その結果、約100通の返信があった。

つまり、30万円かけて、100件の見込情報を獲得したわけだ。

その会社のサービス単価を考えると、いい数字である。

しかし・・・

半年経っても全くフォローがされていない。

「その時間がとれない」とのこと。

これでは全くのムダである。

いや、ムダどころか、

「ハガキを返信いただければ、資料を送付いたします」

としておきながら、資料の送付すらしていないので、最低限の約束も果たしていない。

これでは、わざわざ30万円払って、会社の信用を落としていると同じである。

このようなDM等によるプル型の仕掛けを行うにあたっては、

レスポンスがあった際の受注までのストーリーと役割分担

を決めておくことが必要だ。

・だれが御礼TELをするのか?

・素直にすぐさま資料を送付するのか、
    あるいは、あわよくば資料持ち届けを口実に訪問させていただくのか?

・フォロー担当はどう割り振るのか?

ここで紹介した「レスポンスの放置状態」の事例はあまりに特別だとしても、

レスポンスに対して、いかに受注確率を上げるか、受注までの期間を短縮するか

を考えると、このようなことを決めておくことは重要なことである。

皆様の会社にも、何かしらプル型の仕掛けがあると思う。

(Webサイトの問い合わせフォームも、言わばプル型の仕掛けのひとつ)

レスポンス数が少なければいいのだが、今一度レスポンスがあった際のフォローのストーリーを確認していただきたい。

レスポンス数が少なければ、そもそもレスポンス数を上げる努力が必要なのだが。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#15 メモ

営業活動でお客様のところに訪問した際、お客様の話を聞きながら、何かしらメモをとることが普通だと思う。

今回は、そのときのメモをとるかどうかについて書いてみよう。

以前、クライアントの会社の若手営業にくっついて、同行調査を行ったときのこと。

あるド新規のお客様のところに訪問し、それなりに話が盛り上がってきた。

新規訪問にもかかわらず、「今度見積を出してくれ」という展開である。

会話の中で、先方の求める、数字を含めた様々な要件が出てくる。

しかし、営業担当の彼は全くメモをとっていない。

「え?大丈夫かよ!?」

心配なので、こっちがいろいろメモを取っていく。

商談後、その会社を出て、その営業担当に問いただした。

「何でメモをとらないんですか?
  先方の要望をちゃんと覚えているんですか?
   覚えていなければ、提案できませんよ!」

ところが彼は、「ポケットのICレコーダで記録しているから大丈夫」とのこと。

それであれば確かに、今度提案するにあたって、先方の要望を漏れなく提案することはできる。

メモは本来、記憶を補助するもの。

しかし、営業活動においては、その限りではない。

メモを取ることは、「先方から見たやる気」を表す姿勢でもあるからだ。

もしあなたが、このケースにおいて、お客様側の立場であったとしよう。

相手の営業が、自分の言ったことに対し、全くメモをとっていなかったら

「この営業、大丈夫か?」

と思うことだろう。

ちなみにこのケースでは、メモをとらかったことが原因かどうかはわからないが、

後日の提案は失注した。

やはり、商談においてメモはとるべきなのだ。

しかし、あえてメモをとらないこと利用した応用技もある。

お客様との会話がはじまったときはあえてメモをとらず、

ある程度盛り上がってきたところでメモ帳を取り出し、メモっていく。

それによって「この提案、こっちは本気ですよ」という姿勢を見せるわけだ。

でもこれは、やはり上級者向けである。

これまでのお客様との関係、メモ帳を取り出すタイミングなどによっては

「やっとメモるのかよ!?」

と、お客様が不信感を抱きかねない。

基本は、ちゃんとメモをとることなのだ。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#14 本の紹介

お客様の会社に訪問し、具体的な商談ではなく、挨拶目的の面談を1時間したとしよう

ここで果たすべき責任は「1時間分以上の価値を提供すること」だ

社会人であれば、みな時間はとても貴重な資源である

先方にとって、

「1時間をあなたに提供した結果、それに値するリターンがあったのかどうか」

は、あなたの大きな評価指標となる

「業種は異なりますが、~という工夫をされている会社がありまして、貴社でも応用できるのではないでしょうか?」

というような業績アップのヒントの提供ができればいいのだが、経験の浅い営業担当では難しいだろう。

そのような方にお勧めしたいのが「本の紹介」

多数出版されているビジネス書には当然ハズレもある。

ハズレを引いてしまうと、本の代金だけでなく、読むのに要した時間ももったいない。

ビジネス書選びのヒントを提供するのも、立派な価値だろう。

また、逆に先方のおすすめの本を聞き、後日読んだ感想を述べれば、きっと先方も喜んでくれる。

ここまでは「挨拶訪問だとしたら」という前提で書いてきたが、商談・提案でも同じことである。

「1時間を提供したに値する提案内容だったのか」

仮に失注したとしても

「いい提案だけど、今回はちょっと・・・」なのか「検討に値しない」のか

こちらにとっては失注に変わりなくても、先方にとっては

「1時間を提供したに値する提案内容だったのか」

は大きな問題だ。

商談にしても、雑談にしても、いただいた時間以上の価値を提供することを心がけよう。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ