カテゴリー別アーカイブ: 営業戦線

戦線#23 会社でブロックサイン!?

ある建設業A社での話。

その会社は、入口を入ると事務所全体を見渡すことができるのだが、一番奥の社長の席も見える。

A社に入っていくと、実は内部で野球のブロックサインのようなものが飛ぶ。

一体、何のためのサインか。

要するに「仕事の生産性とサービスを両立するため」なのだが、どういうことだろうか?

そのサインは社長から発せられる。

誰かが玄関を入ると、センサーが感知してピンポーンと呼び鈴が鳴る。

別にセンサー式の呼び鈴は珍しくない。

呼び鈴が鳴ると、瞬時に社長が訪問者を確認、どのように対応するかをサインで発しているのだ。

全員起立してお出迎え するのか 受付以外は座ったままでOK なのか

つまり、大事なお客様には全員が起立して丁寧にお迎えし、気持ち良く入ってきていただく。

そうでない方には、各自の仕事の続行を優先する。

その話を聞いたときはびっくりしたのだが、理に適っている。

お客様によって対応を変えていいものなのか?

と考えるところだが、小売店や飲食店のように来店していただく商売は別として

自社から営業に出向くようなスタイルの場合、営業活動の資源配分としては差をつけて然るべきだ。

これはどんな会社でも、営業管理で何かしらのコントロールをしようとはしていると思う。

「重要顧客には社長自ら年始回りをする」

言ってみれば、これもお客様について営業活動の資源配分のひとつである。

それに、放っておくと「行きやすいお客様」に訪問が偏ってしまう。

さて、重要なお客様とは定量的に表すならばどう表せるのか?

「将来性も見据えた粗利としての拡販ポテンシャル」

となる。

(1)販売実績(粗利)
(2)インストアシェア(どれだけ入り込んでいるか)
(3)お客様の伸び率

(1)と(2)から(4)拡販ポテンシャル(あとどれくらい粗利をいただける余地があるか)が出てくる

また、拡販ポテンシャルはあまりないが、大きな粗利をいただいており、ライバルから防衛しなければならない顧客もいる。

となると、2軸のマトリックス上に各顧客をマッピングして、振り向けるべき営業活動資源を判断するならば、

片方の軸に拡販ポテンシャル、もう一方の軸に販売実績(粗利)をとると見えてくる。

あるいはその応用で、片方の軸に販売実績(粗利)をとり、もう一方の軸に訪問頻度をとると、

以下のような分析もできる。


SFA・CRM「クラウドビート」の営業活動分析グラフ
SFA・CRM「クラウドビート」の分析画面

ブロックサインはさておき、マトリックスに基づいた営業活動の資源配分の判断、一度試してみると面白いと思う。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#22 ガッツきすぎず、遠慮しすぎず

最近、こどもの学資保険について考えないと・・・と思っていた矢先、こんなことがあった。

ある日、飛び込みで生保会社Aが自宅に営業に訪ねてきた。

「お子様の学資保険はどうでしょう?」

自宅の前にベビーカーがあるのを見て訪ねてきたとのこと。

 A社の第一印象:うざい

ぜひ学資保険を提案したいとのことで、特に断る理由もないのでプランを作っていただくことに。

しかし、自分の生命保険は生保会社Bに入っている。

同じ会社に入っておいた方がいいんじゃないか?

と考えた。

だが、3年ほど前に担当の人が退職して以降、生保会社Bからは定期的にナントカレポートが届くのみで

何もコンタクトがない。

前の担当者は時折、

 プランの切り替えはどうですか?

というようなコンタクトがあったんだけど、それ以降は何もない。

仕方がないので、生保会社BのWebサイトから学資保険の資料請求を行った。

ところが、本当に学資保険のパンフレットを送ってきただけで、具体的な提案がない。

 B社の今の印象:やる気がない

A社みたいにガッツいてくるのもヒくけど、B社のやる気のなさもどうかと。

A社のやる気を買ってやりたい気もするが、心情的にあるガッツには積極的に応えたくない・・・。

ちなみに、比較表をつくって検討し、A社でもB社でもないところにお願いすることにした。

ここで言いたいのは、

 営業活動はガッツきすぎず、遠慮しすぎず

ということなのだが、もうひとつ。

本来、圧倒的優位に立っていたのは、生命保険に入っているB社だ。

B社が私の年齢などの情報をきっちりつかんでおり、

営業のやりようによっては競合ゼロで学資保険をとることも不可能ではなかったはずだ。

ましてはB社は大手であり、きっとSFA・CRMがあるはずである。

「生保契約済 AND 既婚 AND 6か月以上コンタクトをとっていない」

などの条件で顧客をピックアップし、学資保険の提案ターゲット先として

私に営業活動を仕掛けて然るべきなのだ。

大手でもSFA・CRMを活用しきれていないんだなあと感じた。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#21 時間厳守

社会人たるもの(社会人でなくてもだけど)、時間は守るべし。

「何をあたり前のことを」

と思われるかもしれないが、それにまつわるエピソードを紹介しよう。

ある会社で、販売管理ソフトが古くなり、規模、最近の主力商品に合わなくなってきたので

ソフトを入れ替えることにした。

そこで、数社に声をかけ、順番にプレゼンのために来社していただき、

それぞれのプレゼン内容を

(1)提案内容、(2)金額

で評価することとなった。

さて、その中の1社、A社が遅刻してきた。

いちおうプレゼンはしていただき、プレゼン内容の評価としては、

提案内容、金額とも1番だった。

しかし、その会社は落選となった。

理由は「遅刻したから」

このように、受注に向け、どんなにいい準備をしてきても、どんなに技術を持っていても

遅刻しては大きなマイナスポイントとなってしまう。

営業管理、営業技術以前の問題だ。

プレゼンに限らず

「時間を守るという、ものすごく簡単な約束すら守れない人」

のイメージがついてしまうと、そのイメージを払拭するのは大変だ。

アポイントの時間には十分に余裕を持って行動しよう。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#20 目標達成の第1ボタン

営業に関わらず、目標を達成する(させる)ための第1ボタンは何だろうか?

戦略・・・?、計画の具体性・・・?、やる気・・・?

まずは「目標を意識すること」である。

次に「実績・見込を知ること」である。

つまり

「目標は○○で、このままだと△△くらいになる見込みだ」

ということだ。

目指すべき姿(目標)と、それに対してどれくらいギャップがあるのか(現状)、

これを知らなければ、そもそもギャップを埋めようとする知恵も行動も生まれない。

「そんなの当たり前だ!」と思うかもしれないが、これがバカにできない。

営業管理者へのインタビューで

「部下のみなさんは、目標と実績を把握していますか?」

の問いに

「もちろんです!」

と答えるものの、実際に営業担当にインタビューしていくと答えられないケースが多い。

そして、その結果を営業管理者に伝えるとガックリする - これは本当に多い。

「それくらい意識して仕事しろよ!!!」

と言いたくなるかもしれない。

たしかに営業担当にも問題はあるだろう。

しかし、営業担当が目標と見込を意識していないのは、やはり営業管理者に問題があるのだ。

営業日報(週報)の仕組み、ミーティングのやり方、成績の発表の仕方、日々のアドバイスの仕方、

インセンティブのルールなど、目標と見込を意識させる方法はいくらでもある。

また、目標は不変だが、見込は常に変化していく。

これをリアルタイム(せめて前日分まで)につかめる仕組みを作っておくことも非常に重要だ。

「けっこうリアルタイムにつかめるけど、集計のために営業事務に大きな負担がかかる」

これではいけない。

「なるべく工数をかけずに、営業成績の見込をリアルタイムに把握できる仕組み」

これを構築しておくことが必須だ。

人数が少ない会社や、金額は大きいが案件の数が少ない会社であればExcelで十分だが、

そうでない場合はSFA(営業管理・支援システム)など、何からITの支援が必要となる。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ

戦線#19 新規開拓営業の体制

ある中小製造業での話。

マーケットはどこの会社も横ばいの業種。

営業部門は約10名。

1人だけ新規開拓の専任者がいた。

彼は疲弊している様子で、成果も上がっていなかった。

一般論に移ろう

1.普段の営業活動は既存顧客ばかりで、新規開拓はなにもしていない。

2.このままでは成長どころか現状維持も危ういので「新規開拓しなければ」と考え出した。

3.全営業に「新規開拓もするように」と指示を出したものの、何も変わらない

・・・よくあるストーリーである。

さて、ここでどうするか?

何かしらの方法で、営業活動資源(時間)の一部を強制的に新規開拓に投入する仕組み、体勢が必要となる。

大きく分けて、

(1)全営業が少しずつ時間を確保する

(2)開拓営業の専任者を置く

の2通りとなる。

前者は、「全員で新規開拓のTELアポ取り時間を行う時間帯を決める」「新規開拓営業のみ実施する曜日を決める」

などが考えられる。

では後者はどうだろう?

実は注意しなければならないポイントがある。

新規開拓営業の専任者を置くならば、1人にしない

ということだ。

取扱いの商材・サービスが強い商品力を持つ場合、

あるいはそのライフサイクルが導入期・成長期であればはそれほど苦ではないのだが、

基本的に新規開拓営業は精神的に負担のかかるものである。

それを1人ぼっちでやっていくのは、どうしても心が折れてしまいやすい。

そうなると、終始サボるとまではいかなくても、「活動しているフリをしている」時間が増えてしまう。

「なんで俺だけ・・・」という思いが日増しに大きくなり、

それがそのまま会社への不信感となり、最悪の場合、退職に至ってしまう。

しかし、2人であればお互い励ましあいながら開拓営業をすすめることができ、

たとえ励ましの言葉はなくても、自分と同じ思いをしている互いの存在が心強く感じられるものである。

この記事を読んで

「いや、そうは言っても人数がギリギリだから、2人は置けないよ」

と感じられた方もいるかもしれない。

その場合は、前者の「全員で」の方法をとるしかない。

あるいは、専任者が(本当に)納得できる大きなインセンティブを設定するかだ。

新規開拓営業は、相対的に既存営業よりも大変なもの。

その大変な活動を

・気持ち良く実行に移せる

・確実に推進される

・成果に相応しい報いがある

よう、仕組み・体制を整えよう。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ