戦線#8 自分が退職してもいいように

これは私自身の話。

ある社員の退職にともない、その人が営業活動で訪問していた、とある会社を自分が担当することになった。

自分が勤めていた会社には簡易的なSFA・CRMがあり、

いつ、誰が、どこの会社に訪問し、どのような情報を得たのかがデータベースとして

残される仕組みがあった。

しかし、そのお客様について、システムに入力されている内容は

「△△△についてヒアリング」

と書かれている程度で、一体その会社がどんな課題を抱えているのか、さっぱりわからない。

仕方なく、

「もう一度お話を聞かせてもらえないか?」

先方にお願いしたところ

「前任者に全て話したはずです」

とピシャリ・・・。

本当に困ってしまった。

これはひとつの例だが、似たような話は全国にゴマンとあるあろう。

しかし、このケースについては、SFA・CRMがあるにもかかわらず、

そこに入力される内容が悪いために問題が発生してしまった。

SFA・CRMの目的のひとつは

 顧客情報について、営業担当の暗黙知から会社の形式知への転換

つまり、

 各営業担当の頭の中にしかない情報を、会社として目に見える情報にする

ということだ。

では、そのためには、どのような観点で顧客情報をSFA・CRMに残すべきなのか。

 もし自分が今日退職しても、
      引き継ぎなしで後任者が然るべき営業活動できるように

というのが1つの重要な観点だろう。

筆者は以前システムエンジニアの仕事もしていたのだが、プログラミングの世界には

  「昨日の自分は赤の他人」

の格言がある。

これは、昨日自分で作ったプログラムなのに

「あれ?何でこんな処理にしたんだっけ?」

となってしまうことが多々あるため、

「なぜそのような処理にしてあるのか」などの情報を、

ソースコメントや仕様書などにちゃんと残しておこうね。ということなのだ。

営業活動においても、

「あれ?前回の訪問のとき、ここのお客様とどんな話をしたっけ?」

と自分で訪問しておきながら忘れてしまうことも多々あるだろう。

そのためにも

 もし自分が今日退職しても、
      引き継ぎなしで後任者が然るべき営業活動できるように

の観点で顧客情報を残すようにしておけば、後任者だけでなく、自分のためにもなる。

それに、お客様にとっても同じことを何度も聞かれるのは嫌でしょう。

「しあわせ企業づくり」のシステム屋、ハートビートシステムズ