「感動を売る」と称してはいるものの、「どこが?」とう会社はしばしばある。
今回は「ある会社に訪問したら感動した」エピソードを紹介しよう。
訪問アポをとるとき、フルネームの漢字、役職などを聞かれたのでピンときていたが、
訪問先の玄関に「○○様いらっしゃいませ」の立派な看板が掲げられていた。
簡単に書き換えが可能なホワイトボードや黒板ではなく、ちゃんときれいな形で。
建物に入ると、全社員が立ってお出迎え。
ここまでは、マナーレベルの高い会社だと時折見かけるが、ここから先が違った。
応接に通されると、テーブルの上にカラフルなB5サイズくらいの紙が置かれている。
きれいな写真を背景に
「○○様、本日はご多忙の中 ~ 」
というような、ウェルカムの長文メッセージが書かれている。
こんなものは後にも先にも見たことがない。
すごい会社だ! と思った。
訪問相手が所用で帰社が遅れているとのことで、しばし応接でひとり待つことに。
しばらくすると、コーヒーとお菓子が出されたが、お菓子の上にのっかっていたのがこの小さなカード。
!!!ここまでするか!?
和紙に、さらに桜の花びらを模ってカットされた紙が貼られている。
訳あって、非常に疲れた状態での訪問だったのだが、
このカードを眺めていると、なんだか疲れが一気に取れてくる。
たかだか小さなカードなのに。
訪問相手が帰社され「スゴいですね」と褒めると、先方はたまたまそばにいた女性社員に
「うちの売ってる商品て何だっけ?」
と聞くと
「感動です」
と即答。
なるほど!
確かに感動を売っている。
また、その価値観が末端社員まで浸透している。(経営理念にも明記されている)
これらのカードなどは、社員のみなさんが自主的に考えたものなのだそうな。
ビジネスにおいて感動の条件は「期待を大きく上回る何かを提供すること」
これを実践するために全社員が自主的に知恵を絞る。すばらしい会社だ。
ちょっと特殊な事情でのご訪問だったので、その1回しか訪問していないし、
今後も訪問する可能性は低い。
それでも商売は関係なしに、できればもう一度何かの用事を作って訪問させていただきたいと思う。