営業活動でお客様のところに訪問した際、お客様の話を聞きながら、何かしらメモをとることが普通だと思う。
今回は、そのときのメモをとるかどうかについて書いてみよう。
以前、クライアントの会社の若手営業にくっついて、同行調査を行ったときのこと。
あるド新規のお客様のところに訪問し、それなりに話が盛り上がってきた。
新規訪問にもかかわらず、「今度見積を出してくれ」という展開である。
会話の中で、先方の求める、数字を含めた様々な要件が出てくる。
しかし、営業担当の彼は全くメモをとっていない。
「え?大丈夫かよ!?」
心配なので、こっちがいろいろメモを取っていく。
商談後、その会社を出て、その営業担当に問いただした。
「何でメモをとらないんですか?
先方の要望をちゃんと覚えているんですか?
覚えていなければ、提案できませんよ!」
ところが彼は、「ポケットのICレコーダで記録しているから大丈夫」とのこと。
それであれば確かに、今度提案するにあたって、先方の要望を漏れなく提案することはできる。
メモは本来、記憶を補助するもの。
しかし、営業活動においては、その限りではない。
メモを取ることは、「先方から見たやる気」を表す姿勢でもあるからだ。
もしあなたが、このケースにおいて、お客様側の立場であったとしよう。
相手の営業が、自分の言ったことに対し、全くメモをとっていなかったら
「この営業、大丈夫か?」
と思うことだろう。
ちなみにこのケースでは、メモをとらかったことが原因かどうかはわからないが、
後日の提案は失注した。
やはり、商談においてメモはとるべきなのだ。
しかし、あえてメモをとらないこと利用した応用技もある。
お客様との会話がはじまったときはあえてメモをとらず、
ある程度盛り上がってきたところでメモ帳を取り出し、メモっていく。
それによって「この提案、こっちは本気ですよ」という姿勢を見せるわけだ。
でもこれは、やはり上級者向けである。
これまでのお客様との関係、メモ帳を取り出すタイミングなどによっては
「やっとメモるのかよ!?」
と、お客様が不信感を抱きかねない。
基本は、ちゃんとメモをとることなのだ。