vol7.5S

前回まで、生産管理システム導入のポイントについて説明してきた。
今回は、生産管理システム導入の前にやっておきたいこととして、5Sについて書いていこう。

「5S」-そうです。整理、整頓・・・のアレです。
いちおう定義を確認しておこう。
ただ、モノをキレイに並べておくことではない。 それは「整列」だ。

 整理 : 要るモノと要らないモノを区別して、不要なものは処分する
 整頓 : 必要なモノを必要なときにすぐに取り出せるようにしておく
 清掃 : ”基準に従って”掃除を行う
 清潔 : 上記3Sの状況をキープする
 躾  : 上記4Sを徹底するためのものなど、会社、工場のルールを守る

定義の仕方によって少しニュアンスが変わる場合もあるが、概ねこのような感じだ。
この中で特に整理・整頓をしっかりすること。
まずは、生産管理システムをどうこうする以前に、整理・整頓の徹底を優先するべきだ。
筆者は仕事柄、生産管理システムの導入、刷新を検討している様々な工場を拝見するのだが「いや、その前に整理・整頓が先でしょう」と思うことがある。
想像してみてほしい。いくら立派なシステムが入っていても、部品や工具などが置き場が決まっておらず、いろいろなモノに埋もれていればモノを探すのに手間取ってしまい、生産性以前の問題になってしまう。

これは工場だけではなく、事務所も同じだ。
注文書など様々な伝票が飛び交うが、それらについても必要なモノが必要なときにすぐに取り出せるようになっていなければならない。
また、そのうち「未出荷分」はどれか?「未手配分」はどれか?など、特に納期管理に適した形で整理整頓されている必要がある。
ここでは具体的な手順は書かないので、詳しくは5Sあるいはファイリングシステムの本を読んでいただきたい。

とにかく、工場も事務所も整理・整頓ができていなければ、生産管理システムもその本領を発揮できない。
整理・整頓を徹底すれば

 納期遅れが多いのでシステムで管理しようと思ったが、事務所の整理・整頓の徹底と、アナログ管理を強化したら解決してしまった
 人時生産性が低いのでシステムで管理しようと思ったが、工場の整理・整頓を徹底したら大幅に生産性が上がった

ということも十分にありうる。
もし貴方の会社でも思い当たるところがあるならば、まずは整理整頓を取り組んでいただき、生産管理システムの検討はその後でも十分だ。

(2014年9月9日)

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