前回、生産管理システムに限らず、目的を明確にしてシステムを導入することが必要だと述べた。
そして、生産管理システムの導入目的は、つまるところほとんどの場合は生産性向上となるが、例として以下を挙げた。
・人時生産性を上げる
・在庫回転率を上げる
・欠品率を下げる
・帳簿在庫をリアルタイムにつかめるようにして、要発注品目、発注数量をすぐにつかめるようにする
・原価を正しくつかめるようにして、原価低減活動に活かす
・工場負荷の均一化
・製品毎、部署毎などに生産性をつかめるようにし、マネジメントに活かす
・帳票を楽に作成できるようにする
このような目的について、当然ながら成果を出していかなければならない。
今回はいったん、生産管理システムでどのように成果を出すのかではなく、成果はどうだったのか?について考えてみる。
このテーマについては「ウチはシステム導入はどれからだから」という方にも是非読んでいただきたい。
生産管理システムの導入にはどういう成果がありうるのかを知ると、自社が生産管理システムで何を実現したいのかも見えてくる。
生産管理システムの活用に限らず、ものごとの成果を出していくためには「PDCAサイクル」を回していかなければならない。
Plan:計画(目標・目的)
Do:実行
Check:評価(成果の測定)
Action:反省
そのためには成果をどれくらい出すことができているかどうかを把握する必要がある。
それはPDCAサイクルの「C」にあたる。
30点なのか、80点なのか、あるいは120点なのか。
もし成果を出しきれていないならば、対策(A:反省 → P:計画)を打っていかなければならない。
この成果の測定が、必ずしも生産管理システムでできなければならないわけではないが、何かしらの方法では測定できなければならない。
また、測定するからには「何をもってそれを表す数値とするのか」も決めておく必要がある。
例えば、生産管理システムの目的が「人時生産性の向上」だったとしよう。
ではどのような数字を人時生産性とするのか?
創出付加価値(限界利益) ÷ 総労働時間
としてみよう。
では総労働時間には、営業など製造に関わらない人は除くとして、
生産管理係の時間はどうするか?
梱包の作業はどう考えるか?
週に1回の集中5S取組みの時間はどうするか?
などの議論も出てくる。
あるいは限界利益も、
仕掛品はどうするのか?
などの議論も出てくる。
このあたりは「これをもって人時生産性とすべき」というあるべき論と、測定しやすさとのバランスで決めることとなる。
繰り返すが、必ずしもこの成果の数値を生産管理システムで直接的に測定できる必要はない。
(できるに越したことはないが)
この成果の数値をつかむことではなく、この成果の数値を上げることが生産管理システムの目的なのだから。
次回は成果の指標についてもう少し考えてみよう
(2014年7月18日)
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