vol1.生産管理システム導入の目的

既に何かしらの生産管理システムが導入されている場合でも、 これから導入しようとしている場合でも、システムの導入目的は何だろう?
ただ「便利そう」だからではなく、何か明確な目的がある(あった)はずだ。
しかし、導入の途中で、あるいは導入されてしばらくすると「何で入れたんだっけ?」となることもある。
これは生産管理以外のシステムでもあることなのだが、生産管理システムの場合、 導入が難しいため、四苦八苦して長期間かけ何とか運用に乗せることができると、
「これでひと安心!」となって目的が行方不明となるケースも多い。
生産管理システムに限らず、システムをしっかり活用し、成果を出そうとすると、目的を明確にしなければならない。
成果とは「目的に沿った結果」であり、目的が不明確ならば成果の出しようがないからだ。
いや、「成果が出ているかどうかの判断のしようがない」と言った方がいいのかもしれない。
本来は、何か目的があり、その手段として生産管理システムを導入するわけだが、
目的を見失うといつの間にか、生産管理システムを使うことそのものが目的化してしまう。
手段が目的化してしまう - つまりは「マンネリ」である。
システムに限らず、みなさんの周りにもきっとマンネリになっている資料、報告書などがあるだろう。
全くのムダとは言わないが、マンネリは会社の生産性を下げる要因のひとつであることは確かだ。
とにかく、生産管理システムの導入も含め、目的を明確して取り組むことは仕事の鉄則である。
では、一般的に生産管理システムはどのような目的で導入されるのだろうか?

 ・人時生産性を上げる
 ・在庫回転率を上げる
 ・欠品率を下げる
 ・帳簿在庫をリアルタイムにつかめるようにして、要発注品目、発注数量をすぐにつかめるようにする
 ・原価を正しくつかめるようにして、原価低減活動に活かす
 ・工場負荷の均一化
 ・製品毎、部署毎などに生産性をつかめるようにし、マネジメントに活かす
 ・帳票を楽に作成できるようにする

中には「トレーサビリティを確保する」というようなこともあるが、 概ね「製造部門の生産性を上げる」ことに集約される。
生産性とは
 「アウトプット ÷ インプット」あるいは「目的 ÷ 手段」
である。
例えば「製造数量 ÷ 総労働時間」「製造数量 ÷ 平均在庫量」などである。
なじみがうすいかもしれないが「総資産経常利益率」も生産性である。

今回のポイントは
生産管理システムに限らず、システム導入の際は目的を明確にしておきましょう
ということだが、次回は目的をどの程度達成できたのか、成果について考えてみよう。
(2014年7月11日)

次の記事:vol2.生産管理システム導入の成果
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