事務機器販売業での話。
営業のAさんは、得意先のB社に、コピー機約20台の入替えの提案をしていた。
大きな費用はかかるものの、今後のランニングコストの削減、印刷スピードのアップなど
お客様にとって大きなメリットもあり、先方の担当者もノリ気だった。
しかし、先方の決定権者である社長は、反対はしていないものの、難色を示し、
なかなかOKを出していただけないとのことだった。
コピー機に限らず、現に業務が回っている状態に対して大きな投資を促すことは、
どうしても躊躇させるものである。
その提案は、長期的に考えれば、必ず得意先にメリットをもたらすものであり、
是非とも社長に直接説得にあたりたい。
先方社長とは面識はあるものの、多忙でありなかなかアポイントをとることができず、
Aさんはやきもきしていた。
ある日先方社長が海外出張から戻ってくる飛行機便の情報を得ることができた。
そこでAさんは、その日は休日だったにもかかわらず、空港で社長を待ち伏せることにした。
「国際線ターミナルと駐車場を結ぶ、あの通路を通るはず!」
(実際にはここでAさんはいろいろな工夫をするのだが、割愛させていただく)
結果的に、休日の夕方、空港で先方社長に接触することができ、その場で「内定」をいただくことができた。
この話から学べることは、
提案(売り込み)は、必ず先方にとってメリットがあるものであり、
少しでも早く導入していただけるよう、様々な手段を講じる
という心構えが大事ということだ。
もちろん、相手の都合も考えながら・・・、空気を読みながら・・・
ということにはなるのだが。